オイルミストが発生する原因は、主に切削油・潤滑油の飛散によるものです。オイルミストは、人体や作業環境へ悪影響を及ぼす可能性があるため対策が欠かせません。この記事では、オイルミストの発生原因、人体や環境、工場の機械に与える影響とその対策について解説します。
INDEX
オイルミストの発生原因
- 高速な切削加工、旋削加工により、切削油が微細化されるため
- 切削時に切削油や潤滑油が高温になり蒸発するため
- 圧縮空気を作る際の潤滑油が混入するため
オイルミストとは、微粒子状になって空気中に浮遊した油を指します。主な発生原因は、切削加工や旋削加工などの工作機械に使用される切削油・潤滑油です。機械を高速で稼働させると、切削油や潤滑油が周囲に飛び散り、オイルミストとして浮遊します。
また、圧縮空気を作る際に潤滑油が混入してしまったり、加工作業時に高温化した切削油の蒸発によってオイルミストが発生したりするケースもあります。
オイルミストと同じく注意が必要な「油煙」の発生原因
オイルミストとあわせて気をつけたいのが「油煙」です。油煙は、部品を加工する際に切削油が加工熱によって蒸発・分解することで発生します。発生原因こそ異なりますが、オイルミストと同じく切削油や潤滑油が発生源のため対策が必要です。
また、油煙はミストの粒子径が非常に小さくなり、大気に放出されやすくなるので注意しましょう。
工場での油煙対策の方法はこちら発生したオイルミストが与える影響
- 人体・健康への影響
- 作業環境への影響
- 機械や設備への影響
飛散したオイルミストをそのままにしておくとどのような影響があるでしょうか。オイルミストが周囲に与える具体的な影響を、以下で解説します。
人体・健康への影響
オイルミストは、人体へさまざまな影響を及ぼします。オイルミスト特有のにおいは頭痛や不快感などの原因となり、吸入すると呼吸器・気管支などの疾患を招く恐れもあり危険です。
また、目に入ったり皮膚に付着したりすると、目の疾患や肌荒れなど皮膚の疾患を引き起こす可能性もあります。これらのリスクを回避するためにも、オイルミストの対策は不可欠です。
オイルミストの人体への影響についてはこちら作業環境への影響
オイルミストの影響は、人体だけでなく作業環境にも及びます。放置することで、工場内の天井や床、壁面に油が付着し汚染される可能性があります。油によって床が滑りやすくなると、転倒・滑落などの事故につながる恐れもあり危険です。
また、オイルミストで“もや”がかかり、視界不良による作業性・安全性の低下も懸念されます。さらに、作業環境の悪化だけでなく、オイルミストに引火するリスクもあります。
機械や設備への影響
オイルミストは、工場内の機械、設備にも影響を及ぼします。工作機械や制御盤、空調設備などにオイルミストが入ると、故障や空調フィルターの目詰まり、部品の腐食、ショートなどを引き起こす可能性があるため注意が必要です。
機械を稼働できなくなると、余分なメンテナンスコストがかかってしまうばかりか、業務の生産性を落としてしまうなど、その影響は計り知れません。
オイルミストを発生させない方法はある?
切削油・潤滑油は、切削作業に欠かせません。切削工程などの油を使う工作機械を使用している限り、オイルミストの発生をゼロにするのは困難です。しかし、できるだけ発生を抑えてリスクを少なくする方法はあります。
たとえば、オイルミストの発生量が少ない潤滑油の使用や、オイルミストが発生する場所をカバーで覆うなどの対策が可能です。ただし、加工内容や選ぶ潤滑油の種類によっては、切削性能が低下してしまう恐れもあるので注意する必要があります。また、オイルミストは微細な粒子のため、カバーをつけても完全には飛散を防げません。
作業効率を保ったままオイルミストの対策をするには、環境にあった「ミストコレクター」の選定と、適切な設置が重要です。
オイルミスト対策に重要な「ミストコレクター」
空気と分離するための装置です。
工場での生産活動によって、オイルミストを吸引すると従業員の健康障害を招くリスクがあるため、放置すると危険です。ミストコレクターを導入することで、きれいな環境を維持しながら生産活動を進められます。
ミストコレクターは、オイルミストを除去する仕組みの違いによっていくつかの種類に分けられます。作業内容や発生原因に応じたものを選びましょう。また、使用する機械によってミストコレクターの設置方法も異なるため、あわせて理解しておく必要があります。
発生原因に合わせた適切なオイルミスト対策を
オイルミストの発生原因は、工作機械に使用する切削油や潤滑油の飛散によるものです。オイルミストを放置することで、体の不調につながるだけでなく、作業環境や機械・設備へ悪影響を与える可能性もあります。オイルミストによる被害を出さないためにも、適切な対策をしましょう。
オイルミストの対策やミストコレクターの導入のお悩みは、下記からご相談を受け付けていますのでぜひお気軽にご相談ください。
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