工場での油煙・オイルミストの対策は、作業環境の安全性を高めるだけでなく、メンテナンスコストの削減にもつながります。
この記事では、工場における油煙・オイルミストの人体への影響や、対策方法について、詳しく解説します。油煙やオイルミストの除去に効果的な、オイルミスト除去装置も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
INDEX
油煙対策はなぜ必要?
工場で発生する油煙は人体に影響があり、呼吸器系や目の疾患、皮膚疾患の原因になることもあります。また、油煙は視界を妨げ、転倒事故を引き起こすなど、働く環境にとっても悪影響です。
さらに、電気のショートや火災のリスクを高めることも知られています。また環境面においては、換気による冷暖房エネルギーのロスや、空調機に油煙やオイルミストが侵入し空調のエネルギー効率が低下してしまうなど、環境負荷の問題も重要視されています。
油煙対策は、人体への影響や働く環境、火災のリスク、環境面など、あらゆる面から考えて必要とされているのです。
そもそも「油煙」が発生する原因とは
工作機械を使用するとき、潤滑や冷却のため使われる切削油が、熱などの影響で油煙に変わることがあります。つまり、油煙は、切削や切削作業中の切削油の飛散が主な発生源です。
また、工場では油煙対策と同様に、オイルミスト対策も重要です。オイルミストは、工作機械の潤滑油が飛散して発生するものです。飛散したオイルは、目や肌に直接付着することがあり、従業員の健康を害する恐れがあります。
油煙の測定・対策は「作業環境測定」の義務?
「作業環境測定」とは、労働環境の安全性や衛生性を確保するために行われる測定のことです。2023年時点で作業環境測定の義務は法律で定められておらず、油煙やオイルミストの影響については、企業が自主的に測定して対策を行っているのが現状です。
油煙やオイルミストは人体や環境への影響が大きいため、基準が定められてないとはいえ、何かしらの対策をした方がよいといえるでしょう。実際には、工場内をエリアに分け、油煙やオイルミスト濃度を測定することで、特に濃度が高いエリアに対して対策を講じる企業もあります。
油煙対策の方法
油煙対策としてできることには、以下のようなものが挙げられます。ここでは、それぞれの対策について詳しく解説します。
油剤の種類・供給量
の見直し
機械カバー
の設置
ミストコレクター
(オイルミスト除去装置)の導入
油剤の種類・供給量の見直し
油煙対策として比較的手軽にできるのが、油剤の種類や供給量を見直すことです。具体的には、油剤供給量をアップさせたり、熱安定性が高い油剤を選んだりするのが効果的です。
また、切削面に優れた油剤を使用することも1つの方法です。切削油剤は、被削材や加工方法、作業する環境に応じて選ぶことで、工作機械と被削材の間の摩擦を低減し、油煙の発生を抑えられます。
機械カバーの設置
油煙対策として効果的なのが、機械カバーの設置です。全体を覆うフルカバーを設置すると、油煙の拡散を大幅に減少させられます。全体を覆うのが難しい場合は、加工点に特化したカバーを設置するだけでも、油煙の抑制に効果があります。
ミストコレクター(オイルミスト除去装置)の導入
ミストコレクターとは、工場内の空気からオイルミストを吸引して除去する装置のことです。ミストコレクターを導入することで、工作機械から発生する油煙やオイルミストを効率よく除去でき、作業環境の質を向上できます。
また、ミストコレクターがあることで、従業員の健康リスクを低減でき、視界の確保がしやすくなります。さらに、油煙やオイルミストによる周辺の機械類の故障も防げるため、メンテナンスコストの削減にもつながります。
不水溶性の加工油から発生するオイルミストは粒子径が小さいため、サイクロン式やディスク式のミストコレクターで捕集しておく場合には排気側にフィルターを追加することで、微小な粒子も捕集することができます。
特に、アピステの「GME-S-Pro/ecoシリーズ」は、ミストの粒子径に応じてフィルターの種類を変更することができ、価格と性能に合わせフィルターを搭載可能です。
お客様のニーズに応える「アピステ」のミストコレクター
この記事では、工場における油煙の問題とその対策方法を解説しました。油煙対策は、従業員の健康を守ったり効率的な作業環境を維持したりするために不可欠です。それぞれの作業環境に適切な対策を行ってください。
油煙対策やミストコレクターに関しては、下記からご相談を受け付けていますので、お悩みの際はぜひお気軽にご相談ください。
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