ビジネス電話のメモの取り方・よくあるトラブルへの対処法
先方から電話がかかってきた際、担当者が不在であれば電話があった旨をメモに残す必要があります。
簡易的な連絡であれば失敗することも少ないですが、先方から具体的な伝言を依頼された場合には、トラブルを避けるために正確な情報を残す必要があります。
そこで今回は、メモで失敗しないためのポイントや、受け取った担当者が仕事を効率的に進めることができるメモの残し方などをご紹介します。
目次 [非表示]
1.覚えておきたい伝言メモの基本
先方から受けた電話の内容を正確に伝えるために、伝言内容とメモ内容の確認をきちんと行いましょう。
伝言内容は、先方の言葉を復唱しながらメモを取ることで、正確に把握できるはずです。
メモには、次の6つの情報を記載することが大切です。
①日時(〇月〇日 〇時〇分)
②先方の会社・部署名・名前
③先方の連絡先
④用件
⑤担当者の対応方法(折り返し不要、至急折り返しが必要、メールを確認など)
⑥応対者の名前
また、紙ではなくメールなどで要件を伝えるケースも多いと思います。
その際は、担当者の対応方法を先に記載したり、急ぎの案件には【至急】という文言を件名につけるなど、担当者に合わせた工夫も必要になってきます。
2.伝言メモで失敗しないための3つのポイント
基本がわかったところで、伝言メモで失敗しないためのポイントを3つご紹介します。
・自分から情報を聞き出す
・社名から復唱する
・担当者に一声かける
自分から情報を聞き出す
担当者と先方のやり取りをスムーズにするために、自分から情報を聞き出すことも大切です。
例えば、先方から折り返し電話を求められた場合、モニターに電話番号が表示されていても電話番号を確認するようにしましょう。よくあるのが、固定電話で連絡しているが折り返しは携帯にしてほしいというケースです。
社名から復唱する
メモを取る際は、メモ内容だけでなく社名から復唱することが重要です。
同じような名前の会社や担当者とやり取りしている場合、ちょっとした聞き間違いで困ってしまうことがよくあります。
ただ、電話の最後にまとめて復唱すると、時間もかかり先方に迷惑が掛かってしまうため、都度確認を心がけるようにしましょう。
例えば、先方から「〇〇社の××です。△△さんいらっしゃいますか?」と電話を受けたら、「〇〇社の××様ですね。確認しますので少々お待ちください」と返答することで、社名と名前を先に確認することができます。
もちろん、はっきり聞き取れた場合は確認不要ですので、臨機応変に対応するようにしてください。
担当者に一声かける
伝言メモを担当者の机に置いて終わりにするのではなく、口頭でも電話があった旨を担当者に伝えるようにしましょう。
その際は、「〇〇社(××さん)からお電話ありました。」など、一声かけるだけで十分です。
また、忙しい担当者の場合、メモが他の資料に埋もれてしまい、気づかないまま長時間経過してしまうケースも少なくありません。
そのため、担当者が戻ってきた時には、電話があったことを直接伝えて伝達ミスを防ぎましょう。
ただし、担当者が外出などで戻ってくる頃に先方の営業時間が過ぎてしまいそうな場合は、メールでの通知もしておくと無難です。
3.仕事を効率的に進めることができる伝言メモの残し方
伝言メモの役割は、担当者の不在時に用件を残すだけではありません。こちらの工夫次第では、担当者の仕事を効率的に進めるための有効なツールになります。
ここではその方法を3つご紹介していきます。
外出が多い担当者にはA4サイズのメモを用意する
外出が多い担当者には、伝言を書くためのメモをA4サイズの紙に変更するのも手です。
外出が多いと、伝言メモが複数枚机に置かれ、担当者が戻ってきた時に、どの先方から対応すればいいのかわからなくなることも考えられるからです。
そこで、A4サイズの紙を用意して電話があった順に伝言を残しておくと、担当者も優先順位をつけて仕事をしやすくなります。
普段からポストイットを使っているのであれば、A4サイズの紙の上に時系列順にポストイットを貼っていくのもいいでしょう。
伝言メモの存在をわかりやすくする
担当者のために、伝言メモの存在をわかりやすくすることも親切です。
机には一般的に書類など様々なモノが置かれており、メモの整理や確認に無駄な時間を取られてしまいます。
そこで、文房具店で売っているキーボードの隙間に挟んで立体的に見せるメモやポストイットのメモ部分を折って立体的にしておくなど、わかりやすい形で置いておくと、担当者はスムーズに仕事に取り掛かれます。
ただ、そうしたメモが増えても大変ですので、緊急度の高い内容の時に使用するなど、意味づけをしておくと効果的です。
色ペンを使う
伝言メモに色ペンを使うことも、担当者が仕事を効率的に進める手助けとなります。
まず、一旦全ての内容を黒色ペンで書きます。
そして、電話が終わった後に伝言メモを確認し、用件で重要な箇所や緊急度をわかりやすく色ペンで加工しておくと、担当者がスムーズに対応できるようになります。
4.伝言メモで起こり得るトラブル対処法
最後に、伝言メモを取る際に起こり得るトラブルの対処法をマスターしましょう。
相手の声が聞き取りづらい
相手の声が聞き取りづらい場合は、「お電話が遠いようですので、もう一度お願いできますでしょうか?」などと聞き返します。
実際に先方の声が聞き取りづらいとしても、それを直接指摘してしまうと、先方に不快感を与えてしまいます。電話や電波状況が悪いにすることで、先方を責めているわけではないと伝えることがポイントです。
また、2度以上聞き直すと、先方も不快感を示す可能性があるため、全ての内容を聞き取ることを諦めるのも手です。この場合は「社名(担当者名)」「折り返しの有無」「緊急度」の3点が明確にわかれば十分です。
同じ先方から1日に2度以上電話がかかってきた
同じ先方から1日に2度以上電話がかかってくることもあります。
そういった場合は、最初に残したメモに2度目以降の電話がかかってきた時間を記載するようにしましょう。
また、社内の別の人も電話に出ている可能性もありますので、伝言メモを置く時に机を確認し、同じ先方からの伝言メモが残っていた時は1つにまとめておくと親切です。
メモが追いつかない
メモが追い付かない時は、もう一度説明してもらう手もありますが、メモの速度を上げて対応することが基本です。
カタカナや略字を使ってスムーズに対応しましょう。
ただ、そうしたメモはあくまで自分用ですので、担当者の机に置く伝言メモは清書したものを置くようにしましょう。
5.まとめ
伝言メモは、残し方次第で単なる備忘録ではなく、担当者の仕事を円滑に進めるツールとなります。
そのため、内容を間違えないだけでなく、メモを受け取る担当者の気持ちを考えたメモを残すようにしましょう。
そうした細かい気づかいが、今後の仕事に生きてきます。