リーダーシップで変わる組織マネジメント~なぜリーダーシップが必要なのか~
組織マネジメントとリーダーシップは似て非なるもので、それぞれが会社に果たす役割は大きく異なります。
組織マネジメントは会社を円滑に運営するうえで欠かすことができない手法ですが、これにリーダーシップをプラスすることで、メンバー、会社を大きく成長させることができるようになります。
今回は、組織マネジメントにリーダーシップが必要な理由やスキルなどをご紹介します。
目次 [非表示]
1.組織マネジメントとリーダーシップについて
まずは、組織マネジメントとリーダーシップの定義についてみていきましょう。
組織マネジメントとは
組織マネジメントとは、会社をスムーズに運営するためのマネジメント手法の1つです。
具体的には、「ヒト」「モノ」「金」「情報」の4つの経営資源を適切に配分・組織化することで、メンバーに高い成果を挙げさせ、会社としての目標推進や達成に導きます。
中でも「ヒト」が最も重要な経営資源で、他の3つは「ヒト」が動かすことで初めて意味を成します。たとえ大金を持っていてもそれを使うのは「ヒト」ですし、優れた生産設備を持っていたとしても「ヒト」が正しく操作しないと機能しません。
「ヒト」は感情や体調、生活環境などに影響されやすく、管理が最も難しいですが、円滑な組織マネジメントを推進するために最も注力すべき経営資源でもあります。
リーダーシップとは
リーダーシップとは、目標を設定し達成に向けて周囲を巻き込んで成功に導くことです。
具体的には、目標達成に向け、自分自身の経験やスキルなどのあらゆる能力を発揮して、メンバー全員を1つにまとめて同じベクトルに向かせることがリーダーシップの本質です。
組織マネジメントは仕組み作りやサポートが主になりますが、リーダーシップでは自分自身が先頭に立ち見本になることで目標達成に導いていきます。
その他にも、メンバーが働きやすい環境を作ったり、主体的に行動できるように動機付けするなど、様々な役割をこなさなければなりません。
2.組織マネジメントとリーダーシップの違い
組織マネジメントとリーダーシップは混同されがちですが、それぞれに明確な違いがあります。
中でも目標を達成するためのアプローチが異なり、リーダーシップは「What(何を)」、組織マネジメントは「How(どのように)」を起点としています。
リーダーシップでは、自分自身が見本となるような動きをした上で、多種多様なメンバーを1つにまとめるための動機付けなどを行い、メンバーに自主的な行動を促します。
一方、組織マネジメントでは目標を達成するための手順や仕組みを組み立て、経営資源を配分することで、目の前の課題を解決していきます。
組織マネジメントで作った仕組みを的確に実行するためには、リーダーシップを発揮し模範となる動きやサポートを実践する人材が必要になります。
3.リーダーシップで変わる組織マネジメント
組織マネジメントは会社をスムーズに運営するために必要不可欠な手法ですが、それにリーダーシップの考え方も取り入れることで、メンバー、会社を大きく成長させることができるようになります。
組織マネジメントは、経営資源を適切に配分・組織化することで、メンバーに高い成果を挙げさせる手法ですが、リーダーシップを発揮する人材がいることで、より成果を高めることができます。
組織マネジメントを実行する人材とリーダーシップを発揮する人材にも、それぞれリーダーシップ力やマネジメント力が求められますが、基本的には役割が異なります。
4.リーダーシップを発揮するために必要なスキル
組織マネジメントにリーダーシップの考え方を取り入れることが自身や会社の成長につながることがわかったところで、ここからはリーダーシップを発揮するために必要なスキルを3つご紹介します。
目標設定力
目標設定力とは、会社全体の目標を咀嚼し、メンバーが会社の目標達成に貢献できるように方向を示すことです。
まず、リーダーシップを効果的に発揮するには、メンバーに明確な目標を設定することが最優先です。
会社全体の目標は一般的に大まかであり、目標を達成するための具体的なプロセスまで示されていないことが大半です。
そこで、会社全体の目標を実現するために、メンバー一人一人が会社の目標達成のために、何をすれば効果的なのかといった方向性を示す必要があります。
方向性を示すことで、会社全体の目標を達成するためにメンバーを活動させることができるようになるでしょう。
先導力
目標を設定した後は、それの達成に向けてメンバーを様々な手段で導く必要があります。
自分自身が模範となるような動きをしたうえで、メンバーの状況に合わせたサポートも必要になります。
例えば、目標達成に対する意欲を高める動機付けを行ったり、不足している能力を身に付けられるよう自ら見本を見せてスキルアップを促すなど、メンバーの能力を最大限に発揮するためにリーダーシップを取ることが求められます。
決断力
目的達成の過程で、複数の選択肢がある時に決断し、方向性を示す決断力も求められます。
リーダーシップを発揮して方向性を示すことができないと、メンバーに不安や混乱が生じる可能性があります。
そうした状況に陥らないためにも、素早い判断が重要になってきます。
適切な決断を下せるよう、正確な情報収集力や失敗した場合のリスクを軽減するリスクへッジ力も併せ持っておく必要があります。
5.バランス感覚が大切
会社の成長には、組織マネジメントとリーダーシップのどちらも重要ですので、どちらにも偏らないバランス感覚を身につけることが大切です。
例えば、会社で新事業を始める時には、経営資源を使ってスムーズに運営するために組織マネジメント力が必要になりますが、方向性を示しメンバーを一致団結させるリーダーシップ力も必要です。
仕組みだけではうまく機能しませんし、勢いだけでは長続きしません。
このように、組織マネジメント力とリーダーシップ力は共存してこそ力を発揮します。
6.まとめ
組織マネジメントとリーダーシップは役割こそ異なりますが、どちらも会社の成長に必要不可欠です。
会社運営をスムーズにするために組織マネジメントは欠かせませんが、メンバーに将来の目標に向け最大限能力を発揮してもらうには、リーダーシップも欠かせません。
高いリーダーシップ力と組織マネジメント力があれば、組織全体で大きな成果を出すことができるようになります。