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組織マネジメント

ドラッカーが提唱する組織マネジメントの取り入れ方

ドラッカーが提唱する組織マネジメントの取り入れ方

「マネジメント」を語るうえで必ず話題に挙がる人物が、ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(以下、ドラッカー)です。

ドラッカーは「マネジメントの父」と呼ばれ、生前に執筆したマネジメントなどに関する著書は、今もなお多くの会社の経営に影響を与えています。

今回は、ドラッカーが提唱する組織マネジメントに着目し、取り入れ方や取り入れる際に管理職が留意すべきことなどをまとめました。

1.ドラッカーが考える組織マネジメント

ドラッカーは自身の著書の中で、組織におけるマネジメントについて以下のように定義しています。

“組織に成果をあげさせるための道具、機能、機関”
引用元
P.F.ドラッカー(1999)「明日を支配するもの 21世紀のマネジメント革命」上田惇生訳,ダイヤモンド社

つまり、組織が目標を達成するために必要な、さまざまな要素の総称がマネジメントであり、組織をスムーズに経営するうえで欠かすことのできないものと言えます。

次の章では、ドラッカーが提唱する組織におけるマネジメントを有効に取り入れるためのフローを詳しく説明していきます。

2.ドラッカー流組織マネジメントの取り入れ方

ここからは、ドラッカーが提唱する組織マネジメントの取り入れ方をフローチャート化し、各項目について詳しくご紹介していきます。

以下が、ドラッカー流組織マネジメントのフローチャートとなります。

①定義を定める
   ↓
②目標を立てる
   ↓
③マーケティングを行う
   ↓
④改善に取り組む
   ↓
⑤変革のためのイノベーション

①定義を定める

組織マネジメントを会社の運営に取り入れるうえで、最初に行うことは、定義を定めることです。自分達の事業は何か、何であるべきかを定義しなければ、事業目標や方向付けをすることはできません。

ドラッカーのマネジメントでは、事業の定義を安易に決めることはできず、顧客が誰であるかを明確にすることから、定義づけをスタートできると考えられています。

事業は顧客によって定義され、商品やサービスで顧客を満足させようとする欲求によって事業は成り立ちます。

顧客と言えば、会社外の取引先や自社の商品・サービスを購入するユーザーもそうですが、ドラッカーのマネジメントでは、会社にとって一番の顧客は会社で働く社員だと考えられています。

社員は会社を取り巻くユーザーを満足させるために、自分たちがユーザーだったらどのようなものを購入したいだろうと日々考察し、満足できる商品やサービスの開発に勤しんでいます。

そのため、社員が一番の顧客であるという前提に立ち、その他の顧客を洗い出し、全ての顧客が求めているものから、事業を定義することが大切です。

例えばクリーニング店では、事業の定義を「衣服をキレイにすること」と安易に決めるのではなく、「大切な思い出(衣服)を守ること」のように、顧客の求めていることから考えていく必要があります。

②目標を立てる

定義したら、次は会社としての目標を立てます。

例えば、飲食業を営む会社が「日本全国の人たちに美味しい料理を食べてもらう」を定義とした場合、「47都道府県すべてに飲食店を出店すること」を目標に設定すると、定義に適ったものとなります。

このように、目標を設定する際は定義と紐づいていることが大前提であり、目標と定義が相関関係になければ組織の中で有効に機能しません。

また、立てる目標も明確なものである必要があります。

目標があいまいだと、何ができていて何ができていないのかが把握できず、仕事のやり方や行動の取り方がわからなくなります。

明確な目標が設定されていれば、自分の仕事の不足分も的確に把握でき、仕事のやり方や行動の改善につながり、目標達成や社員の成長にもつながります。

③マーケティングを行う

定義、目標が固まったところで、マーケティングを行います。

マーケティングの真の目標は、一言で言えば顧客が何を買いたいのかを把握することです。

会社は、顧客に価値があると判断されるものを提供し続けなければ、事業を維持・発展させることはできません。

そのために、①の項目でもご紹介したように、まず一番の顧客である社員について理解を深める必要があります。社員が価値ありと考え、必要とし求めていることを調査することからマーケティングは始まるのです。

マーケティングの方法はさまざまありますが、例えば面談などを定期的に行い、そこから社員の現実や欲求、価値、悩み、課題などを引き出していくことも有効な手段の1つです。その中で、これまで気づかなかった社員の強みやスキルがわかることもあります。

④改善に取り組む

組織マネジメントを取り入れる準備が整ったところで、実際に組織マネジメントを用いて会社運営の改善に取り組んでいきます。

改善と言ってもさまざまなアプローチの方法があり、会社ごとに重点的に取り組む項目は異なります。

例えば、これまで自分の担当を持っていなかった社員に会社の成長に貢献できるような役割を割り振り、自分の仕事が成果に結びついている実感を与えることで、責任と働き甲斐を与えるという方法が考えられます。

この場合は、グラフや表などデータで可視化して自分の仕事の成果についての情報を与え、責任と働き甲斐をより明確化するようなフィードバックを行うとさらに成果を挙げられるようになるでしょう。

また、得意分野を持つ社員に得意分野に関わる担当のリーダーとして数人のチームを作ることで、そのリーダーの知識と経験をチーム内で生かし、会社の成果に結びつける手法もあります。

このように、どのようなアプローチの方法を用いても、仕事が生産的になるような改善を推し進める必要があります。

⑤変革のためのイノベーション

組織マネジメントは会社の運営に大きな改善をもたらしますが、会社としてさらなる成長を図る場合はイノベーションを起こす必要があります。

イノベーションは組織が成熟したときに、さらなる成長をするための変革であり、会社はもちろん、時に業界全体、社会全体にもイノベーションをもたらす可能性があります。

例えば、アップルでは「iMac」「iPod」「iPhone」「Apple Watch」などに代表されるように、既存製品とは一線を画す新しい製品を生み出し続けることで、競合他社との優位性を保ち続けています。

また、関連する業界にも良い意味でイノベーションをもたらし、現在もアップルに追従するために同業他社では製品開発が活発化しています。

3.ドラッカー流組織マネジメントで管理職が留意すべきこと

これまでご紹介したフローに取り組むうえで、管理職が留意すべきことを3つご紹介します。
 
・戦力外を作らないこと
・成果を重視すること
・成果に応えること

戦力外を作らないこと

社員に役割や責任を与えるなど、管理職は社員が手持ち無沙汰にならないように、自分の管轄するチームに常に目を配る必要があります。

明確な目標を見失っている社員には再度個別の目標を定義する必要がありますし、目標達成に対する意欲を高める動機付けを行うなど、成果を挙げさせるためのアプローチを常に欠かさないようにすることが大切です。

成果を重視すること

管理職は社員に対し、成果を挙げさせる責任を伴います。

具体的に言うと、管理職が組織の中の人間や組織単位の関心を努力ではなく成果に向けさせるように方向付けする必要があります。

仕事のためではなく、成果のために働く人を可能な限り増やしていくことで、会社が掲げた目標の達成に大きく前進することになります。

成果に応えること

成果中心の精神を高く維持するために、管理職は成果を挙げた社員に対して、何らかの形で応える必要があります。

具体的には、社員に課した目標の達成度を定期的にチェックし、管理職が設定した基準に達成していれば人事考課に加点するなどインセンティブを与えることで、メンバーのモチベーションを高く維持することができます。

4.ドラッカー流組織マネジメントに最も重要な管理職の資質

ドラッカーが提唱する組織マネジメントについてご紹介してきましたが、管理職に最も必要な資質は真摯さです。

ドラッカーに関連する著書でも、真摯さについて以下のように触れています。

“事実、うまくいっている組織には、必ず1人は、手を取って助けもせず、人づきあいもよくないボスがいる。この種のボスは、取っつきにくく気難しく、わがままなくせに、しばしば誰よりも多くの人を育てる。好かれている者よりも尊敬を集める。一流の仕事を要求し、自らにも要求する。基準を高く定め、それを守ることを期待する。何が正しいかだけを考え、誰が正しいかを考えない。真摯さよりも知的な能力を評価したりはしない。このような素質を欠く者は、いかに愛想がよく、助けになり、人づきあいがよかろうと、またいかに有能であって聡明であろうと危険である。そのような者は、マネジャーとしても、紳士としても失格である。”
引用元
P.F. ドラッカー(2001)「マネジメント【エッセンシャル版】基本と原理」.上田惇生訳,ダイヤモンド社

ここで言う真摯さとは、仕事に対し、一貫して高い要求を社員に求め、自分にも高いハードルを課す姿を言っているものと考えられます。

仕事というものは順風満帆に進むものではなく、時に想定外や予想を超えるトラブルに見舞われることもあります。

しかし、管理職がこうしたトラブルを乗り越えることができないと、社員の仕事も成果もどんどん掲げた目標から離れていってしまうでしょう。だからこそ管理職にはブレない一貫性が必要とされています。

こうして一貫性のある行動が取れる管理職は多くの社員に良い意味で影響を与え、結果的に多くの優秀な社員を輩出することができるようになります。

5.まとめ

ドラッカーが提唱する組織マネジメントを会社の運営に取り入れることで、仕事が生産的になり、会社として成果を挙げやすくなる環境を構築することができます。

管理職としては、高い成果を挙げるために社員一人一人にやりがいを与えたり、成果を重視するように意識付けしたりと多くのマネジメントが要求されますが、会社の目標達成のために真摯に取り組むことを心掛けましょう。

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