施策を有効にする組織マネジメントの取り入れ方
ビジネスシーンで聞く機会の多い言葉に「施策」という言葉があります。
同じようにビジネスで頻繁に使われる言葉で、「戦略」「戦術」「作戦」「目標」などがあり、いずれも似たような言葉ばかりで、施策とは具体的にどのようなものかがわからない人も多いのではないでしょうか。
また、施策は機能すると会社に大きな利益をもたらしますが、組織マネジメントを取り入れることで、より有効なものとして機能させることができるようになります。
今回は、組織マネジメントの考えを用いた施策を有効なものとするためのフローや、施策を展開する際に管理職が気を付けるべきことをご紹介します。
目次 [非表示]
1.組織マネジメントと施策の関係
ビジネスにおける「施策」とは、会社の計画を実行するための策、または目標を達成させるための計画のことを言います。
施策を実行に移すには、目標や戦略がしっかり固まっている必要があり、それが固まっていないと打ち出された施策も、会社にとって有効なものにはなりません。
例えば、「水曜日はノー残業デーにする」という施策を講じても、そもそも「月の残業時間は100時間以内に収める」などの目標が定まっていないと、水曜日に残業しなかった分の負担が他の曜日にかかり、そのしわ寄せは最悪休日出勤を招く事態にも陥りかねません。
そこで、組織をスムーズに運営する組織マネジメントを導入することで、目標や戦略が明確なものとなり、施策は会社の目標達成のために有効なものとなります。
2.施策を有効にするためのフロー
それでは早速、組織マネジメントの考えを用いて施策を有効なものとするためのフローをご紹介します。
以下のフローにおけるポイントを押さえておけば、施策は会社の目標を達成するために有効なものとして機能するでしょう。
①.達成すべき目標を明確化する
↓
②.目標を達成するための戦略を考える
↓
③.具体的な施策を打つ
①.達成すべき目標を明確化する
組織マネジメントの考えを取り入れる前に、まずは目標について詳しく知る必要があります。
目標とは、会社の目的に期限を設けたものです。
目的は最終的に目指すものであり、会社が「15億円の売上を目指す」とした場合、そこに期間の概念はありません。しかし、「2020年に15億円の売上を目指す」となると、具体的な期限が加わり目的達成するための目標に変わります。
この目標に組織マネジメントの考えを取り入れることで、目標をより明確なものとすることができます。
組織マネジメントにおける明確化のポイントは、数値など具体的な指標を示すことです。明確な数値目標を立てれば、その後の戦略の内容も詳細なものとなり、より目標達成に近づける内容で立てることができます。
②.目標を達成するための戦略を考える
目標を明確化したら、次は戦略を立てます。戦略を立てる際に大切なことは、目標達成するための内容になっているかどうかです。
例えば、「2020年に売上高15億円を目指す」という目標を掲げた場合、戦略は「主力製品の販促費を増やす」「新製品の販売を強化するために、専用のチームを発足する」など、アプローチは違えど目標と密接に連動し、達成に近づけるための内容であることが重要です。
組織マネジメントの考えを取り入れて戦略を立てる際に重要なのは、目標と現状のギャップを埋めるために最適案を考えることです。
そのためにまず必要なのが、現状分析です。
自社の強みや弱み、業界内での立ち位置など現状を把握し、それに対してどのように対処すればよいかを具体的に考えることで、目標と現状のギャップを埋めることができます。
もちろん、戦略を決めた後は、数値目標を付け加えることが重要です。
③.具体的な施策を打つ
最後に、施策は基本的に戦略を実現するためのものでなくてはなりません。
また、戦略を実現するためには、より具体的なものである必要があります。
例えば、「2020年に売上高15億円を目指す」という目標に対し、「主力製品の販促費を〇万円増やし、売上を○%UPする」という戦略を立てた場合、「TV広告を増やし自社製品の露出を増やす」「検索連動広告でサイトへのアクセス数を増やす」といったように、より具体的な施策が考えられます。
なお、戦略は長期的なものであるのに対し、施策は短期的であることが一般的です。途中で別の施策に変更することや複数の施策を並行して進めることも少なくありません。
3.施策を展開する際に管理職が気を付けること
一般的に、目標は企業の経営理念とも深く関わっているため、取締役といった会社のトップが決定することが多いですが、具体的な戦略や施策については、管理職や現場に一任されるケースが多いです。
そこで、ここでは施策を展開する際に管理職が気を付けるべきことをご紹介します。
目標との整合性を取る
施策を展開する際は、常に目標と戦略に対して整合性を取っていく必要があります。
施策は戦略を実現するための具体的かつ最適な手段である必要があり、ここがブレてしまうと有効に機能することはありません。
「主力製品の販促費7,000万円増やし、売上を140%UPする」という戦略を立てた場合、7,000万円を使うための施策ではなく、売上を140%伸ばすために最適な施策を考える必要があります。
売上を140%増やすために必要な施策が7,000万円に収まれば、より売上を伸ばす施策を検討し、7,000万円で足りなければ、考え直す必要が出てきます。
管理職は施策を展開する中で常に状況をチェックし、有効に機能していない場合、時に中断して新たな施策を講じたり、複数の施策を同時に走らせ、想定効果との乖離を確認したり、効果の良い施策に一本化するなど、常に臨機応変な対応を取る必要があります。
実現可能性が高いものにする
施策の内容次第で、目標や戦略の実現性が大きく変わるため、施策は実現可能なものとして打ち出すことが重要です。
この施策の実現性を左右するのは、組織マネジメントにおいて最も重要な資源とされる「ヒト」すなわち社員と言っても過言ではありません。
そのため、管理職は、社員の能力や特性、スキル、性格などを鑑み、実現できる見込みのある施策を講じる必要があります。
また、実現性のある施策を打つためには、会社の目標や戦略を達成するために、現在どのような問題があり、何をすれば解決できるのかを常に的確に判断する洞察力も必要といえます。
4.まとめ
施策を展開する時は、上位レイヤーである目標や戦略に沿った内容であり、また目標も明確なものである必要があります。
そこで組織マネジメントの考えを取り入れることで、上位から下位まで整合性を取ることができ、施策も会社の目標を達成するための最善の手段となります。