地球温暖化と二酸化炭素の関係~二酸化炭素が増えている原因~
地球温暖化の原因は、一般的に大気中の温室効果ガスの増加が最大の原因と言われていますが、その中で最も影響を与えているのが二酸化炭素です。
今回は、二酸化炭素が増える原因や、地球温暖化対策として二酸化炭素を減らすための取り組みなどについてご紹介します。
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1.地球温暖化と二酸化炭素の関係
地球温暖化と二酸化炭素は密接な関係にあります。地球温暖化の主な原因とされている温室効果ガスの大半を二酸化炭素が占めており、二酸化炭素排出量の削減が論点として取り上げられる機会も多いです。
実際、全国地球温暖化防止活動推進センター(JCCCA)の「人為起源の温室効果ガス総排出量に占めるガス別排出量の内訳」によると、人類が発生させている温室効果ガスの76.0%が二酸化炭素と考えられています。
現状、二酸化炭素の排出は私たちの生活と切り離せないものです。二酸化炭素の排出量を削減していくために、自然エネルギーの活用など、さまざまな手段を講じていくことが求められています。
2.二酸化炭素が増えている原因
ここからは、二酸化炭素が増えている原因について詳しく見ていきましょう。
主な原因として、3つご紹介していきます。
①.産業の発展
産業革命以前の人間社会は人間、馬、牛、ロバ、ラクダ、水、風の力をエネルギー源として使ってきましたが、18世紀後半の産業革命以降、石油や石炭、天然ガスなど化石燃料をエネルギー源として使うようになりました。
微生物の死骸や枯れた植物などが何億年という時間をかけて化石になり、やがて石油や石炭になったものが、化石燃料です。それを掘り出して燃やすと二酸化炭素が大量に大気中に放出されてしまいます。
気象庁によると、二酸化炭素濃度は2017年の世界の平均濃度で観測開始以来最高の405.5ppmとなり、工業化(1750年)以前の平均的な値とされる278ppmと比べて46%増加したとしています。
②.豊かな人間生活
産業革命以降は、産業のみならず人間生活にも化石燃料が大量に使われるようになり、加速度的に二酸化炭素濃度も増加していきました。例えば、身近なものだと、ガソリンや灯油などに石油が使われています。
電気を使ったものに代替されつつあるものも存在しますが、その電気を生み出す発電所でも、石炭や天然ガスが使われており、二酸化炭素を大量に排出します。
③.森林面積の減少
森林は二酸化炭素を吸収固定し、地球温暖化防止に大きく貢献するとされていますが、その森林面積を減少させてしまったことも二酸化炭素が増えた原因の1つです。
現在も農地への転用や、焼き畑農業、燃料用木材の過剰な採取、森林火災、違法伐採などでその数を減らしており、世界森林資源評価によると、世界の森林面積は1990年の41.28億haから、2015年には39.99億haに減少したとしています。
3.二酸化炭素が増えることによるの影響
二酸化炭素が増え続けると、地球温暖化が進行していきます。
代表的なものは、地球の平均気温が上昇することですが、それに伴い異常気象の発生や地域の気候特性の変化、海水面の上昇、生態系の変化など、様々な悪影響をもたらします。
また、それに伴い食糧生産や水資源の枯渇、健康被害、経済格差の拡大など、私たちの暮らしに直結する問題も生じています。
4.二酸化炭素を減らす取り組み
地球温暖化は、主に人間活動によって放出された二酸化炭素を中心とする温室効果ガスの大気中濃度の増加が原因であるという認識が広がり、世界規模で削減の取り組みが加速しています。
最後に、二酸化炭素を減らすために世界で取り組まれていることや、身近にできる取り組みをご紹介します。
世界的な取り組み
地球温暖化の最大の原因が、二酸化炭素など温室効果ガスと認識されていることから、近年は世界的に温室効果ガス削減の取り組みが加速しています。
1997年に採択された京都議定書に代わり、2015年に国連気候変動枠組条約締約国会議で合意されたパリ協定では、温室効果ガスの削減について世界の共通目標として以下の内容を掲げています。
“世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする”
“そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる”
引用元
経済産業省資源エネルギー庁「今さら聞けない「パリ協定」 ~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ondankashoene/pariskyotei.html
(2019年6月3日)
パリ協定が二酸化炭素など温室効果ガスを削減するための共通目標として最も画期的である点は、途上国を含む全ての参加国に排出削減の努力を求めていることです。
京都議定書では、排出量削減の法的義務は先進国にのみ課せられていましたが、急速に経済発展を遂げた途上国の排出量も急増しています。そこでパリ協定では、途上国を含む全ての参加国と地域に、2020年以降の温室効果ガス削減・抑制目標を定めることを求めています。
2017年にはアメリカが離脱したことでも注目を集めましたが、世界的に取り組まなければならない問題であることは間違いなく、1つでも多くの国に目標到達できるような取り組みが期待されています。
身近な取り組み
世界的には、パリ協定の締結など地球温暖化を緩和するための取り組みが進められていますが、私たちの生活も見直せば二酸化炭素といった温室効果ガスを削減することができます。
例えば、車での外出を電車や自転車に変える、羽織ものの工夫で冷暖房の設定温度を調整する、身体を洗っている間は、お湯を流しっぱなしにしないといった小さな取り組みの積み重ねが二酸化炭素を減らすために必要不可欠です。
また、環境保護活動に参加し、地球環境について考える機会を設けたり、教育に力を入れるのも有効です。
省エネ家電や燃費の良い自動車に切り替える、太陽光パネルを設置するといった手法もあり、できるところから取り組む姿勢が求められています。
5.まとめ
産業革命以降、爆発的に増えた二酸化炭素ですが、現在も産業の発展などに伴い増え続けており、気温の上昇に伴う水や食糧不足などが人間社会にも悪影響を及ぼしつつあります。
現在は地球温暖化の影響を鑑みて、世界各地で二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの削減に関する様々な取り組みが展開されていますが、さらに影響を減らすためには1人1人の小さな取り組みの積み重ねも大切になります。