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森林伐採

森林伐採が地球や人類に与える影響

森林伐採が地球や人類に与える影響

森林伐採についてどのようなイメージをお持ちでしょうか?

環境問題の1つだということは周知の事実ですが、具体的に地球や人間にどのような影響を与えているのか理解している人は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、森林伐採が地球と人間に及ぼす影響についてご紹介していきます。

1.森林伐採の進行はとても速い

森林伐採のスピードは、想像以上のものがあります。

環境省によると、2000~2010年の間に世界で減少した森林面積は年平均約521万haで、これは1分間に東京ドーム約2個分に相当する森林面積が減少している計算になります。

1990年代よりわずかに減速しているものの、20世紀以前とは比べものにならないペースで森林が失われていることが分かります。

また、世界資源研究所(WRI)の報告では、世界の原生林は文明が始まった8000年前に比べて、その8割がすでに消滅しているといわれています。

2.森林伐採が地球に与える影響

先述の通り、現在もハイペースで森林が伐採されていますが、森林伐採は地球にどのような影響を与えるのでしょうか。

ここでは、森林伐採が地球に与える影響についてみていきましょう。

大気汚染

森林伐採は、大気汚染を助長するとされています。

森林には、有害な汚染ガスを吸収し無害化する、塵埃は葉が吸着するという大気浄化機能があります。光化学スモッグの原因であるオキシダントなどの不安定なガスは、葉の表面に触れるだけで分解されるため、光合成能力が低下した汚れた葉でも大気浄化の機能は失われません。

また、幹線道路の交差点など高濃度の汚染が生じる場所では、局地汚染対策として植物の大気浄化能力の利用が有効とされています。

このように大気を浄化している森が減少し続ければ、大気中に大量の汚染物質が漂い続けることになり、酸性雨が増加し、土や水が汚染されて草木が枯れ、生態系にも大きな影響を及ぼします。

地球温暖化

森林伐採による地球温暖化の加速も懸念されています。

森林は光合成によって温室効果ガスである二酸化炭素を吸収し、樹体内や地中に炭素として貯蔵し、温暖化を抑える力を持っています。

樹種や林齢により吸収量は異なりますが、関東森林管理局によると50年生のスギでは人工林面積1haの炭素貯蔵量は約170t、1本では約190kgと試算されており、スギ1本が1年間で約3.8kgの炭素(二酸化炭素約14kg分)を吸収していることになります。

温暖化の抑止に大きな貢献をしている森林の伐採は、地球温暖化対策においても重要な課題であり、今後の影響が危惧されています。

生物の絶滅・減少

国立環境研究所によると、森林には地球上の全生物の5~9割が生息しているといわれています。森林伐採と温暖化が同時に進行すれば、それに比例するように絶滅または減少する生物が増えていきます。

これまで気候変化に合わせ涼しい場所に移動をしてきた動植物も、森林伐採による生息環境の分断と急激な温暖化による気温上昇によって逃げ場を失ってしまうと予想されています。

気候変動がこれほど急速に進んだことは過去にほとんど例がなく、特に影響を受けやすい熱帯雨林の生物は絶滅が懸念され、国際自然保護連合のレッドリストにはすでに多くの絶滅危惧種が記載されています。

3.森林伐採が人間に及ぼす影響

森林伐採は、人間にも影響を及ぼしています。

ここでは、その主な影響を3つご紹介します。

疫病の蔓延

森林伐採が生態系に影響を与え、疫病を蔓延させる恐れがあります。

森林周辺部では森林伐採と温暖化の加速により、伝染病を媒介する生物が増加し、デング熱、マラリア、黄熱病などの危険地域が広がると危惧されています。

また、2005年以降アメリカ北東部で見られるようになったライム病も森林伐採が発端とされています。ライム病とは、インフルエンザのような症状から始まり、放っておけば顔面麻痺や心筋炎にも至る恐ろしい病気です。

感染経緯は、ライム病を媒介するシロアシネズミの外敵が森林破壊で減少し、増加したシロアシネズミのウィルスがマダニにうつり、マダニに噛まれた人がライム病を発症します。

近年新たに発見された病気の4分の3は、動物から人間に広がったものです。環境や生態系のバランスを崩す森林伐採はあらゆる形で影響をもたらし、疫病となって人間のもとへもやってきます。

紛争の拡大

豊かな森林を有するオセアニアや東南アジアでは、森林伐採を発端とする紛争が多く勃発しています。

例えば、資源に乏しいオセアニア地域では森林は経済開発における重要な資源であり、諸外国企業と住民における商業伐採の利権争い、住民同士の森林の所有権をめぐる争いなどが絶えません。

森林の共同管理に向けた地域協力も試みられましたが、度重なる政権交代や各国の積極性の格差からうまく機能せず、ソロモン諸島では民族紛争にまで発展しています。

またインドネシアでは、アブラヤシ農園の開発のために大量の森林伐採がなされていますが、政府の管理が行き届いていない地域も多く、住民が権利を主張している森林が伐採されてしまうこともあり、土地の権利を巡る紛争に発展するといった事例が頻発しています。

食糧生産の悪化

森林を伐採した土地に畑を作れば食糧生産は増加すると思われるかもしれませんが、長期的な視点では悪化を招いています。

アフリカでは人口増加により食料が不足している地域が多く、畑の休耕期間を短縮し、土地が復元する前に耕作を開始するような状況に陥っています。

こうして土地あたりの収量を高めると土壌の肥沃が衰え、畑として機能しなくなり、また新たに森林を伐採して畑を開拓することになります。

しかし、農地拡大のための過剰な伐採は、内陸部の降雨量を減らし、砂漠化を助長することから、長期的にみると食糧生産を悪化させてしまいます。

4.世界的な森林伐採対策が急務

かつて大量の森林を伐採してきた中国や欧州を中心に、森林面積が回復しつつある地域もあります。

しかし、発展途上にある南米やアフリカ、東南アジアでは、焼き畑や商業伐採などにより、加速度的に森林の減少が続いています。

森林伐採のあらゆる影響を危惧し、個々の国々では植林活動などの対策に注力していますが、森林の減少に本格的な歯止めをかけるためには、世界的な枠組み作りが急務といえます。

5.まとめ

今現在も異常な速さで森林伐採は進行しており、温暖化や大気汚染、疫病の蔓延、食料生産の悪化など地球や人類に大きな悪影響をもたらすと懸念されています。

各国レベルの取り組みがなされる一方、伐採が続く途上国では有効な対策が進んでおらず、世界的に森林伐採対策に取り組むための枠組み作りが喫緊の課題となっています。

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