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森林伐採

森林伐採への対策~世界・日本・そして個人からできること~

森林伐採への対策~世界・日本・そして個人からできること~

世界では1分間に東京ドーム約2個分の森林が減少しているといわれています。

この減少速度では、あと100年で主要な森林が消失し、あらゆる生物の存続が危うくなるといわれています。このような現状を打開するために、世界、日本、そして私たちは、どのような取り組みをしていけば良いのでしょうか。

今回は、森林伐採の対策について詳しくご紹介します。

1.世界の森林伐採の現状

世界森林資源評価(FRA)によると、2015年の世界の森林面積は40億ha、陸地の約3割を占めています。

しかし、ブラジルやインドネシアの熱帯林を中心に森林減少が進んでおり、2010年から2015年の5年間に1655万haもの森林が失われ、その半分は砂漠化し、荒れ地と化しています。

この急激な森林減少の主な要因のひとつは商業伐採であり、途上国で伐採された木材を先進国が大量に輸入していることが挙げられます。

また、途上国内のプランテーション農業や工業団地、リゾート開発などのニーズを満たす目的でも大規模な森林伐採が行われ、商業伐採と同様に森林減少を加速させる要因となっています。

2.世界共通の森林伐採対策

では、世界の森林伐採に対する取り組みについてみていきましょう。

コミュニティ・フォレストリー

森林管理手法の1つに、コミュニティ・フォレストリーというものがあります。これは、地域住民が参加する形で森林の管理を行い、得られる利益を住民に分配する方式です。

この取り組みは、地域経済の安定や生物多様性に対する地元民の理解を促すことができるため、持続的な森林保全につながると期待されています。

いち早く同手法を取り入れたカンボジアの例では、コミュニティ単位による森のモニタリングが違法伐採の防止に効果を発揮し、また、大部分の森林をコミュニティ管理の森としたことで、外国企業などの開発圧力から守る役割も担っています。

基準・指標の作成

過度の森林伐採を抑止するためには、世界全体での取り組みが不可欠です。

熱帯木材生産国による「国際熱帯木材機関(ITTO)」、欧州諸国による「汎欧州プロセス」、環太平洋地域諸国による「モントリオール・プロセス」など、世界各地域で森林を守り、持続的に管理するための基準・指標づくりが進められてきました。

世界共通と呼べる目標がないことが、長らく森林伐採問題の課題でしたが、2015年に国連が採択した「持続可能な国際目標(SDGs)」では、「目標15.陸の豊かさを守ろう」をはじめ、気候変動対策や生態系保全など、あらゆる目標に森林の保全や持続的運営が関係し、具体的な共通目標に向けて世界全体が動き始めています。

違法伐採の取り締まり

2015年6月のG8エルマウ・サミットでは、主要な熱帯木材生産国から輸出される木材の50%~90%が違法伐採によるものであり、他の地域も含めると違法伐採による木材は世界消費量の15%~30%を占めると報告されています。

違法伐採に関する世界的な規定は存在しませんが、二国間・地域間・多国間などで対策が進められています。

例えば、「アジア森林パートナーシップ(AFP)」では、合法性の基準や木材追跡システムの開発、「国際熱帯木材機関(ITTO)」では、違法伐採木材の取引を把握するプロジェクトの支援などによって違法伐採を取り締まっています。

その他、アメリカの改正レイシ―法、EUの欧州連合木材規則、オーストラリアの違法伐採禁止法など、各国においても明確な罰則を設け、違法伐採の取引を禁止しています。

3.日本の森林伐採対策

ここからは、日本に求められている主な森林伐採対策をご紹介していきます。

途上国への技術支援

日本は、様々な分野の技術力を駆使して、世界の森林伐採対策に協力しています。

例えば、国際協力機構(JICA)は自然環境保全活動などに、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星観測データを活用しており、ブラジル・アマゾンの違法伐採の監視もJAXAの陸域観測技術衛星「だいち」を利用して行いました。

それまで、衛星の弱点を狙い雨期に行われていた違法伐採は、雲を透過するレーダーを持つ「だいち」の登場により激減。2009年からの約3年間で被害は半分以下に減り、100件以上の違法伐採を特定するという大きな成果を挙げました。

また、現地の資材を用いる日本の伝統的な治山工法によって、中国の荒廃した山林を回復させ、森林の維持・造成の他、土砂崩れなどの災害防止という点でも貢献しています。

国産木材の有効活用

国産木材を国内で消費することも、間接的に海外の森林伐採抑止につながります。

我が国の木材自給率は32.4%と低く、国内の木材供給量の半数以上を輸入した木材が占めています。

日本の国産木材は、耐久性があり建材寿命などにも優れていますが、流通量が少なく高値になりやすいデメリットがあるため、安価で加工もしやすい輸入木材の使用量が増える傾向にあります。

しかし、原材料輸入額は中国、アメリカ、ドイツに次ぐ4位であり、大量消費国である日本の国内資源の活用が、海外の森林伐採抑止に効果的といえるでしょう。

4.個人でできる森林伐採対策

最後に、私たち個人でも簡単にできる森林伐採対策をご紹介します。

・買い物にマイバッグを持参する
・住宅・紙・家具など様々な形で国産木材を利用する
・森林の保全活動に参加する(植林、間伐、草刈りなど)
・リサイクル品を購入する
・古紙回収に協力する
etc

こうした日常活動の積み重ねが森林伐採の抑止につながっていきます。

5.まとめ

毎年730万haの森林が失われている現状を受け、世界では国際熱帯木材機関(ITTO)を中心に森林伐採対策を展開し、日本でも技術支援などを中心に積極的に活動していますが、大事なのは私たち1人1人の意識の変化です。

こうしている間にも膨大な森林が失われていることを意識し、マイバッグやリサイクル活動など、少しでも森林減少を抑制しようとする活動と普及が求められています。

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