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危機的状況が迫る気候変動と対策 SDGs~目標13.気候変動に具体的な対策を~

危機的状況が迫る気候変動と対策 SDGs~目標13.気候変動に具体的な対策を~

国連国際防災戦略事務局(UNISDR)の報告によると、1998年~2017年の20年間に世界で起こった自然災害による死亡者数は130万人にのぼることが分かりました。

地球温暖化が深刻化している今、気候変動に起因する災害は今後も増え続けることが予想されます。

そこで、SDGsでも取り上げられている気候変動の現状と影響、世界が取り組む気候変動対策についてご紹介します。

1. SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」とは

SDGsとは、持続可能な国際社会を目指して、2030年までに解決すべき問題を全世界で確認した国際目標です。

2015年に採択されたSDGsには17の目標があり、その13番目の「気候変動に具体的な対策を」には、次のようなターゲットが含まれています。

13-1:すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靭性(レジリエンス)及び適応力を強化する。
13-2:気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
13-b:後発発展途上国及び小島嶼国開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に阻害されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する。


各国が気候変動対策に力を入れ、防災戦略のもと自然災害に強い世界の実現を目指しています。

2. 気候変動の現状と未来

UNISDRが2018年にまとめた報告書によると、1998年からの20年間で自然災害より発生した経済損失額は2兆9080億ドルに達し、前の20年間の約2.2倍に増加しているとされています。

日本でも豪雨や台風などの自然災害が少なくありませんが、2013年11月にフィリピンを襲った台風30号(ハイエン)は、上陸した台風の中では史上最大勢力とも言われ、死者6,200人超という大きな被害をもたらしました。 

また、少雨と乾燥、熱波による自然災害として、オーストラリアの森林火災が挙げられます。

オーストラリアでは、2019年の平均気温が過去最高を更新、平均降水量は過去最少となり火災が発生しやすい状況でした。そんな中、2019年7月に起こった森林火災では28名の死亡者を出し、3,000棟の民家が全焼、さらには最大で10億匹の野生動物が影響を受けたとされ、オーストラリア史上最大規模の火災となりました。

このまま気候変動が続くと自然災害が増加し、甚大な人的被害・経済損失をもたらすことが推測されます。

3. 気候変動が与える影響

自然災害は世界中に猛威を振るい、先進国から途上国まで多大な被害を受けています。しかし、各国が置かれる現状や防災対策により、受ける影響は異なります。

気候変動が与える影響を、先進国、発展途上国、小島嶼開発途上国に分けて詳しく見ていきましょう。

先進国も自然災害の被害を大きく受ける

気候変動により多大な損害を被るのは、防災が不十分な途上国だけではありません。

ドイツのシンクタンクであるジャーマンウォッチが発表した「世界気候リスク指数2020」によると、2018年に気候変動の被害を最も受けた国は日本であり、死者数は1,282人、経済損失は358億ドルに上ったことがわかりました。

背景として、西日本を襲った豪雨・土砂災害や台風、酷暑による熱中症が理由であると説明されています。

日本以外にも3位にドイツ、9位にカナダがランクインしており、先進国も異常気象が誘因の自然災害から甚大な損害を受けていることがわかります。危機意識を持って気候変動対策に取り組むことは、途上国だけでなく先進国に住む人々にも利益となるのです。

被災リスクが高い発展途上国

発展途上国は災害対策のための資金・技術・人材がなく、異常気象に対する脆弱性が問題視されています。

国際連合食糧農業機関(FAO)のデータからケニアを例に見てみると、ケニアの人口の約8割が農業で生計を立てているとされていますが、降雨に頼って農耕をしており干ばつへの適応力が低い状況です。

また、途上国では女性差別やエリアによる貧富の格差、子どもへの支援不足などさまざまな問題があり、社会の仕組みが未発達で災害から身を守れない人々もいます。

例えば、途上国の女性は所得格差や女性差別から貧困層が多く、十分な防災対策がとれません。同じく、スラム街に住む人々や子どもも災害から身を守る術を持たず、災害で家が壊され不衛生な環境に身を置き、命が脅かされるケースも少なくありません。

このように気候変動の被害を真っ先に受けるのは貧しい国や弱い立場の人々ですが、途上国は自国の力だけで災害対策ができない現状があります。

小島嶼開発途上国が抱える島国特有の脆弱性

小さな島々で国が構成される開発途上国を小島嶼開発途上国と言い、気候変動によりさまざまな影響を受けています。

例えば、ほとんどの小島嶼国は水資源を降雨に依存しているため、異常気象により少雨期間が長引くと水不足となります。また、海抜が低い地域では海面上昇により国土面積が減少するといった問題も発生しています。

ただ、小島嶼開発途上国は近隣国から隔絶され、離島が多く、少人口で経済規模が小さいという不利性があるため、インフラ整備のコストが高く防波堤などの構造物を建設できない、災害時に外部からの救援が届きづらいといった問題が起きているのです。

4. 各国が取り組む気候変動対策

国の規模や地理特性によって気候変動から受ける影響は異なりますが、自然災害の猛威は世界中に広がっており、地球規模で災害対策に取り組む必要性があります。

ここでは世界が取り組む気候変動対策を、先進国と、先進国による途上国への支援の2つに分けてご紹介します。

先進国が行う緩和策

気候変動対策は「緩和」と「適応」の2つに大別でき、先進国は緩和を積極的に取り組むべきだとされています。

緩和とは温室効果ガスの削減や省エネ・再生可能エネルギー技術の革新などを指し、適応はすでに起きている異常気象からの被害を防止・軽減する取り組みを表します。

緩和策のひとつとして有名なのは、2015年に採択されたパリ協定があります。これは、2020年以降の温室効果ガス排出量の削減を目指したもので、196の国と地域が参加しています。これには途上国も含まれていますが、先進国が先導し気候変動対策を確認した大きな一歩となりました。

温室効果ガス排出削減には二酸化炭素の排出量が少ない再生可能エネルギーが有効であるとされており、EUは再生可能エネルギーの比率を2050年までに100%にするという目標を掲げ、積極的に取り組んでいます。

例えば、ドイツは世界の太陽光発電累積導入量の36.4%を担っており、2018年には国内発電量の40%以上を再生可能エネルギーでまかなっています。

先進国は技術革新により、気候変動の要因となる温室効果ガスそのものを減らすことが求められているのです。

途上国への支援と先進国の責任

資金が乏しい途上国は自力で防災対策を取れないケースが多く、先進国の支援により対策を進めています。

先進国は大量消費社会を支えるために温室効果ガスの排出を続け、気候変動の一因を作りましたが、気候変動の影響を大きく受けるのは温室効果ガスをほとんど排出してこなかった途上国であり、先進国は資金や技術を提供する責任があるとされています。

途上国への支援は国連、世界銀行を筆頭に積極的に行われていますが、日本も円借款事業をはじめ、多岐にわたる支援を行っています。2018年には、島国という特性を活かして離島で培われた島嶼型エネルギー技術をフィジー、ツバルなどの小島嶼開発途上国へ伝える研修が開催されました。

途上国といっても自然災害から受ける影響は各国で異なるため、支援先の技術、資源にマッチした技術を支援する必要があります。

5. まとめ

気候変動による自然災害の増加を受け、SDGsでは気候変動への適応力を地球規模で高めることが目標とされました。

自然災害は先進国・途上国関係なく被害をもたらしますが、小島嶼国を含めた開発途上国は防災対策が不十分で、一度自然災害が起きると大きな被害を受けると予想されています。

自然災害に強い社会を目指し、先進国が先頭に立って気候変動対策に取り組むことが求められています。

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