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5Gが自動運転を進化させる⁉その関係性や役割を解説

5Gが自動運転を進化させる⁉その関係性や役割を解説

人間のドライバーではなく、システムが操作を担うレベル3以上の自動運転では、自己車両の位置やルート、道路状況などを把握するため、走行中に大量のデータの送受信を行います。そこで必要となるのが5G通信の技術です。

5G通信自体は身近な存在になりつつありますが、自動運転における5G技術のポイントや課題点については、まだ一般的な理解は進んでいないでしょう。

今回は5Gの特徴や自動運転との関わり、期待される役割や今後の課題について解説します。

1.自動運転の進化には5Gが必須

2021年にはレベル3の自動運転車が販売されましたが、人間がまったく操作することなく、機械が自立して乗り物の操縦を行うレベル5の自動運転の実現には、5Gの技術が必須と言われています。

完全自動運転を実現させるには、車体の状況やインフラ情報などの膨大な情報をスピーディーに収集し、即時に反映させる能力が欠かせません。そのためには安定した通信環境と、高速で大容量の通信システムが必須となるのです。

そこで、新たな通信技術である5G通信の普及が望まれています。5Gは自動運転の技術開発の1つの鍵として、注目を集めています。

2.5G通信の3つの特徴

自動運転ではシステムが周囲の状況を常に把握しておく必要があるため、1日に取得するデータ量は4TB(デジカメの写真で約100万枚分に相当)にも及ぶと試算されています。

自動運転と5G通信の関わりをより理解するために、膨大なデータの処理に活用が期待される5G通信の3つの特徴について、押さえておきましょう。

高速・大容量

5Gの一番の特徴は、高速で大容量通信が可能という点です。通信速度は4Gの約20倍と、これまで不可能だった超高速通信を実現しました。

超高速通信により、車載センサーによる測定データや道路のインフラのほか、交通規制や混雑情報を集めたビッグデータ「Cloud-to-Car」などから得られるさまざまなデータを収集し、その結果を車へとフィードバックすることで事故や渋滞などのトラブルを回避します。

低遅延速度

ビデオ通話やライブ動画を視聴するときに感じることの多い通信遅延は、4Gでも10ms(1秒の100分の1)ほど発生しています。一方、5Gは10分の1程度の1msなので、遅延していても体感ではほとんどわからないレベルになるといわれています。

臨機応変に対応する必要のある自動運転では、わずかな通信遅延が重大事故につながるかもしれません。最適な経路の選択や衝突回避を瞬時に行い、安全性を向上させるためには、低遅延速度が可能とする、リアルタイムでの運転サポートが欠かせないといえるでしょう。

多数同時接続

5Gは1つの基地局で接続できるデバイス数が、4G基地局の約10倍にあたります。そのため、首都圏のように交通量が多い場所でも回線混雑が起こりにくく、通信障害のリスクが少ないのです。

通信障害のリスクが少ないことは、交通事故の予防や渋滞の緩和にもつながり、より安全で快適な自動運転が実現できるでしょう。

3.5Gがもたらす自動運転のさらなる可能性

システムが主体となって運転を行うレベル3以上の自動運転車は、走行中に大量のデータを絶え間なく送受信します。新たな通信技術である5Gの導入が、自動運転にさらなる可能性をもたらすといわれています。

無人車両の遠隔操作

低遅延速度の5Gが導入されることで、遠隔操作の無人車両を本格的に運用できるようになります。

4G通信による車の遠隔操作では通信速度の遅延によるタイムラグが大きいため、安全性を保つには約15㎞/hほどのスピードが限度だとされています。一方、低遅延速度の5Gが導入されると、とっさの対応もこなせるようになるため、一般的な走行速度での運用も可能です。

近い将来、遠隔操作による無人タクシーや無人トラックの実用化が期待できるでしょう。

V2Xによる事故や渋滞の予防

V2XはVehicle to Everythingの略で、「車とあらゆるモノとの通信」を意味します。例えば車と車、車と歩行者、そのほかインフラやネットワークとの通信も含まれます。

5G通信を車と車の通信に活用すれば、複数の車両の隊列走行、車同士の通信が可能となり、追突事故の減少や道路状況の共有に役立つはずです。歩行者のデバイスと通信すれば、人身事故の予防も可能となるでしょう。

さらに信号などのインフラともリアルタイムにスムーズな通信を行えるため、渋滞緩和も期待できるのです。

詳細な3Dマップ

自動運転では、多くの車が行き交うエリアや住宅地の入り組んだ道でも、自己車両の位置を常に特定した上で目的地までのルートを把握しておかなければなりません。そのため、現在のカーナビ・マップよりも、さらに詳細な3Dマップデータが必要です。

道路工事や車線規制などリアルタイムな道路状況を反映する3Dマップデータは大容量になるため、網羅的な地図データを車載するよりも、走行エリアの分だけダウンロードしたほうが効率的です。そのためには、大容量のデータを高速で通信できる 5Gが欠かせません。

新たな通信サービスの提供

先に述べたように、5Gは多数同時接続ができます。さらに、一つの車両に5G対応機器を複数搭載できるため、自動運転車の機能の充実化も可能となるのです。

例えば、自動運転中に車載モニターで高精細の映像コンテンツを楽しんだり、Web会議へのリアルタイム参加ができるようになったりするなど、移動中にできることが増えるでしょう。

4.自動運転への5G技術活用の課題

ここまで見てきたように、5G通信の実用化が、自動運転技術の発展に大きく貢献することは間違いありません。しかし、5Gを搭載する自動運転車の技術開発には、まだいくつかの課題が残されています。

通信インフラの構築

走行データや位置情報の送受信が不可欠な自動運転では、どのような場所でも遅延や途絶することのない通信インフラが求められます。

5Gの電波は届く距離が短く直進性が強いという特徴があるため、コンクリートの建物が乱立するエリアやトンネル内では電波が届きにくく、通信速度が遅くなる可能性があります。基地局やアンテナの設置されていない田舎道や山奥では、すぐに圏外になることもあるかもしれません。

どこにいても5Gに接続できる通信環境の構築が必要となるでしょう。

ハンドオーバー技術

自動運転では途切れることなく安定した通信が必要なため、5Gの電波を交信する基地局をシームレスに切り替えるハンドオーバー(基地局の切り替え)技術も課題です。

5Gでは大容量のデータを遠くに送るため、電波をビームのようにして移動するデバイスに当て続けるビームフォーミング技術が用いられています。一方、高速移動する車に向けて正確に電波を当て続けるためのハンドオーバー技術は実現が難しく、通信事業者による実験が行われています。

セキュリティ対策

自動車に搭載する複数のシステムを5Gに接続するということは、サイバーセキュリティの必要性が増すということです。もし運転に関わるシステムがハッキングされると、個人情報の流出のみならず、重大な事故につながる恐れすらあります。

安全なシステム制御を行い、乗員が安心して自動運転車を利用するためには、セキュリティ面の強化が急務です。

5.まとめ

「高速・大容量」「低遅延速度」「多数同時接続」という3つの特徴を兼ね備えた5Gの通信技術は、無人車両の遠隔操作やV2Xによる事故や渋滞の予防、3Dマップデータの実現など、自動運転のさらなる技術開発に大きな恩恵をもたらすでしょう。

しかし現時点では通信インフラの構築やハンドオーバー技術、セキュリティ面への対応など、課題も少なくありません。5Gと自動運転の技術がさらに向上し、互いの強みを活かし、弱みを補い合って、初めて「完全自動運転」が実現するのではないでしょうか。

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