配管のエア噛みとは?空気混入を防ぐ配管ポイント

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ポンプの配管内に空気が流入してエア噛みを起こし、改善するのに苦労したという方もいらっしゃるかもしれません。

エア噛みを防ぐには、問題発生前の配管方法を工夫して空気混入を未然に防ぐことが効果的です。

今回は、エア噛みの原因とエア噛み防止に効果的な配管方法をご紹介します。

目次

1.配管のエア噛みとは

そもそもエア噛みとは、ポンプの稼働中に空気が混入するか、流体に溶存していた気体が分離して気泡やエア溜まりが発生し、期待できる吐出圧・流量を得られなくなる現象を表します。

ポンプ類の中でも渦巻ポンプなどは気体を送り出せないため、空気が入り込むとポンプが空転を起こし吐出圧が急激に低下してしまいます。最悪の場合は配管やポンプが破損する可能性があります。

エア噛みが発生する原因は数多く考えられますが、大きく分けると以下の3つに分類できます。

  • ・ポンプ内に空気が発生しやすいか混入しやすい状態になっている
  • ・ろ過槽の圧力が高くなり、混入した空気が抜けづらい状態になっている
  • ・ポンプの設置状態や場所が不適切な状態になっている

考えうる発生要因は多岐に渡るため、エア噛みが生じた場合はチェックポイントをひとつひとつ確認して修理を行わなければならず、確認作業に時間がかかってしまいます。そのため最初から空気が入り込まないように、配管方法を工夫することが重要です。

次の章から、エア噛みが発生しづらい配管方法を見ていきましょう。

2.吸込み側の配管に注意

まずは、吸込み側の配管方法をご紹介します。エア噛みが発生すると影響を受けやすいのが吸込み側ですが、基本的に陰圧となるためエア抜きバルブを使用できないといった制限があります。

配管内に空気が混入しないように、以下の配管方法に注意しましょう。

鳥居配管はしない

設置場所の都合上、配管を上げたあとに下げる凸型に配管するケースがあり、これを鳥居配管と呼びます。

鳥居配管を行うと、水より軽い空気が凸部分に溜まり、エア溜まりができてしまいます。

勢いよく流体を流すとある程度の空気を抜けますが、完全に抜け切ることは難しいため、鳥居配管は避けましょう。

下り勾配配管はしない

ポンプに向かって配管の勾配が低くなる下り勾配配管も、エア溜まりにより吸上げ不良になる可能性があるため避けましょう。

エア溜まりが発生する原理は鳥居配管と同様で、空気が上昇して配管上部に溜まることで起こります。

空気を抜くためには、ポンプへ向かって勾配をつける必要があります。目安としては、1/100以上の上り勾配で配管しましょう。
※1/100の勾配…1mあたり1cmの落差

ただし、ポンプをタンク液面より低い位置に設置する押込み配管では、空気がタンクへ抜けるようにポンプへ向かって下り勾配に配管しなければならないため、注意が必要です。

フートバルブの取り付け方法を工夫する

タンク液面より上にポンプを設置している場合、流体の逆流を防ぐためにフートバルブを使用するケースがあります。そのフートバルブが正しく設置されていないと、弁が閉め切り不良を起こして空気が流入する可能性があります。

フートバルブは動作状況をしっかり点検したうえで正しい向きに設置しましょう。また、取り付け方が誤っていたらすぐ修正できるようにメンテナンスを行いやすい位置に設置することが重要です。

接続部からのエアの流入を防ぐ

配管の接続部分は空気が入り込みやすい反面、空気流入の発見が非常に難しい場所でもあります。

一般的にエアの流入を防ぐには、リークしにくいフランジ接続が良いとされています。もし、フランジ接続ではなくねじ込み配管をする場合は、ねじ切りや締め込みを適切に行い、シールをしっかりとするようにしましょう。

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3.バルブや異径管を接続するときのポイント

バルブや異径管の接続でも、注意点を守らなければ空気が入りやすくなってしまいます。それぞれの接続時に守りたいポイントを確認しておきましょう。

バルブは寝かせて設置する

仕切りバルブなどのバルブ類では、構造上エアが溜まりやすくなっています。

ハンドル部分に空気が溜まらないように、バルブハンドルは横に倒して寝かせた状態で設置すると良いでしょう。

異径管には偏心管を使用する

配管の大きさが違う異径管に接続すると、配管の高い位置に空気が集積しエア溜まりを起こしやすくなります。

異径管に接続する場合は、偏心管を用いて上部を水平に保つようにしましょう。

4.吐出し側ではエア抜きバルブを活用する

ポンプの吐出側配管では、吸込み側と違ってエア抜きバルブを使用できます。エア抜きバルブとは配管内の空気を抜くための部材で、空気が流入すると弁体と密着していたフロートが下がり、空気を外に排出する機能を持っています。

やむを得ず鳥居配管をしなければいけない場合や、密閉容器(タンクやフィルターなど)から空気を追い出したい場合に、自動エア抜きバルブを設置するとエア抜きが可能です。

取り付ける時は、鳥居配管の最頂部や密閉容器の頭頂部など、最も高い部分に設置しましょう。

5.まとめ

ポンプの作動中に空気が混入して吐出圧・流量が下がるエア噛みは、配管の破損に繋がるケースもあるため配管の取り付け方法を工夫して空気の流入を未然に防ぐことが大切です。

鳥居配管などの配管方法を避ける、バルブの設置方法に注意する、配管の接続時はシールや偏心管を活用するといった方法でエア噛みを抑制できます。

エア溜まりが発生してからでは修復が困難なため、空気混入を防ぐポイントを押さえて配管を行いましょう。

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