湿り空気線図とは

「湿り空気線図」とは、不飽和空気ではつかみにくい乾球温度や相対湿度、絶対湿度、 比エンタルピーなどの相互関係を比較対照して線図にしたものをいいます。

通常、「空気線図」とも呼ばれます。

以下では湿り空気線図の種類を説明します。

湿り空気線図の種類

NC線図

乾球温度が、-10°C~50°Cまでの湿り空気線図になります。人を対象とした空調など、一般的な産業用空調でもっとも多く使用されているものになります。

LC線図

NC線図では対応ができない、乾球温度が低温の領域時に使用する湿り空気線図になります。乾球温度が-40°C~10°C、絶対湿度が0~0.007kg/kg(DA)になります。

HC線図

NC線図では対応ができない、乾球温度が高温の領域時に使用する湿り空気線図になります。乾球温度が0°C~120°C、絶対湿度が0~0.020kg/kg(DA)になります。

湿り空気線図上での比エンタルピー

たとえば、乾球温度が25°C、相対湿度が60%だったときの比エンタルピーは55.42KJ/Kg(DA)となります。

湿り空気線図を理解するにあたって役立つ、簡易的な専門用語集を以下に用意しましたので、ご活用ください。

乾球温度 乾球温度計が示す空気の温度
湿球温度 湿球温度計が示す空気の温度。
水分が蒸発する時の潜熱により、乾球温度計よりも低い温度を示します。
この時の温度差により、空気の相対湿度を求めることができます。
相対温度 水蒸気分圧/飽和水蒸気圧×100で表されます。
水蒸気分圧とは、湿り空気に含まれる水蒸気の分の圧力のことで、飽和水蒸気圧とは、湿り空気が飽和状態にある時の、蒸気分の圧力のことです。
絶対温度 乾き空気1kgに含まれる水蒸気量の重量。単位はkg/kg(DA)。
飽和水蒸気量 ある温度の空気が1m³の空間内に保有することのできる水蒸気量(g)の最大値のこと。温度が低ければ小さく、温度が高くなれば大きくなります。
顕熱 水は0から100°Cまでは、熱量の変化により温度変化のみ生じる。この時に必要な熱量(エネルギー)のこと。
潜熱 水⇔氷、水⇔水蒸気のように物質の形態変化に必要な熱量(エネルギー)のこと。

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