物質の膨張と収縮
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温度変化による物質の膨張・収縮は、品質管理や品質検査における大きな問題となります。
ここでは、製品や製造・検査装置の材料として使用される代表的な物質の熱膨張率についてのデータをご紹介します。
一般空調と精密空調で比較した場合の物質の膨張・収縮シミュレーション結果をまとめました。
再現性について
研究開発、製造、検査などにおいては「再現性」が重要です。
※再現性とは
再現性とは測定の精度を表す言葉で、異なった環境条件で行った測定結果のばらつきの程度を表します。それに対して、繰り返し性とは、同一の環境条件で行った測定結果のばらつきの程度を表します。
製品や、製造・検査装置を構成する材料が温度によって膨張・収縮することはよく知られています。
このことは再現性に重大な影響を及ぼす要素の一つであり、製品の品質や検査結果を左右する可能性があります。
線膨張率と体積膨張率について
温度が上昇すると物質は「伸びる」「広がる」「膨らむ」という変化が起きます。
温度変化による膨張率には、「線膨張率」と「体積膨張率」があります。
線膨張率とは
固体の線膨張率は、単位長さあたりの温度による長さの変化率で表されます。
物体の長さをL、摂氏温度をTとすると、
線膨張率α=1/L・dL/dT ※
※dL/dTは温度Tがd変化したときに固体が変化する長さの指標地であり、固体の物質によって異なりますが、温度に関わらず一定した値となります。
固体の線膨張率は、温度に関わらずほぼ一定とみなせるため、T℃における物体の長さLは、
物体の長さ=L0(1+αT)
※L0は0℃における物体の長さとなります。
体積膨張率とは
固体の体積膨張率は、物体の体積Vを用いて次のように定義します。
体積膨張率β=1/V・dV/dT、体積Vを物体の長さLで表現すると、
体積V=L3
となります。よって、
体積膨張率β=1/V・dV/dT
=1/L3・dV/dL・dL/dT
=3/L・dL/dT=3α
となります。
体積膨張率βも、線膨張率αと同様に使用すると、
体積V=V0(1+βT)=V0(1+3αT)
※V0は0℃における物体の体積。
と表すことができます。
温度変化による部材や装置の膨張・収縮は不良の原因です
アピステの精密空調機なら温度管理・湿度管理を自動で制御します。
- ワークの膨張・収縮で寸法誤差が
問題になっている - 精密加工機の加工テーブルの膨張・収縮が
問題になっている - 勘合や位置決め精度にバラつきが出ている