集塵機 周辺情報 1-3.粉塵(粉じん)作業の管理の仕方
1-3.粉塵(粉じん)作業の管理の仕方
粉じん作業特別教育
土石や岩石、鉱物などの粉じんを長い期間にわたって吸い込むと、肺の中に粉じんが蓄積されて、息切れや動悸などの健康障害を引き起こし、やがては、じん肺という病気を引き起こす可能性があります。じん肺は長い期間にわたって進行します。
じん肺を予防するために事業者はさまざまな予防対策を講じ、健康管理を行うよう法令に定められていますが、これらの対策を講じるためにも、労働者一人ひとりが重要性を認識し、必要な知識を付け、積極的に取り組むことが必要です。
粉じんにさらされるおそれのある環境下で常時、労働者を作業(※特定粉じん作業)に就かせる場合は、事業者は当該作業者に対し特別教育を実施するよう義務付けられています。
※特定粉じん作業…粉じん作業のうち、粉じんの発生源が粉じん障害防止規則の別表第二に定める箇所での作業のこと
粉じん障害防止規則 第22条 特別の教育 |
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排気・換気装置など各種設備の点検
「局所排気装置」や「プッシュプル型換気装置」、「除じん装置」は労働安全衛生法の規定に基づき、1年以内ごとに1回、定期的に自主検査を行うことが義務付けられています。
また、確認すべき項目については、厚生労働省から定期自主検査指針が通達されています。ここでは、点検についてのポイントをいくつか解説します。
① フードの点検
フードの点検では、空気の吸い込み気流を調べるために、スモークテストを実施します。スモークテストとは、スモークテスターによって白煙を発生させ、その白煙のフードへの流入状態を確認するテストです。白煙がうまく吸い込まれない場合は、以下のことを確認してください。
確認ポイント
- フードの破損や粉じんの堆積による閉塞がないか。
- フード付近に、気流の邪魔をする障害物がないか。
- 粉じんの発生源から、フードまでの距離が遠すぎないか。
- 窓などから外気が入ることで気流が変化し、フード付近での気流が乱れていないか。
- 粉じんが飛散する速度や方向と、フードの大きさや向きが適合しているか。
② ダクトの点検
ダクトは、外側から目視などによって以下のことを確認してください。
確認ポイント
- 磨耗や腐食など、ダクトが破損しているところがないか。
- ダクトの接続箇所のゆるみや破損がないか。
- ダクトを軽くたたき、内部に粉じんが堆積していないか。(堆積がある場合、鈍い音がする。)
③ 除じん装置の点検
除じん装置はろ過除じん方式について記載します。以下のことを確認してください。
確認ポイント
- ろ材の破損、取り付け部のゆるみや外れがないか。
- ダストボックスが粉じんでいっぱいになっていないか。
- ろ材が目詰まりしていないか。
④ その他の点検
その他、粉じんの発生源を密閉している設備では、粉じんが漏れ出ていないか、しっかり点検してください。主な点検箇所は、継手や継ぎ目、材料の投入口や製品の取出口の蓋部分などです。
また、散水設備を利用し、粉じん対策を行っている場合は、その発じん源に対し、飛散抑制のために必要な量の水を適正な圧力で供給することが重要です。日常点検で、その発じん源を湿潤な状態に保つことができるようになっているかを確認することが必要です。
粉じん濃度の測定と把握
粉じん障害防止規則では常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場について、6カ月に1回、定期的に空気中の粉じん濃度の測定を行うことが定められています。粉じんの濃度は、作業場の中でも場所や時間、作業内容や作業量によって変化しますが、一定の方法で定期的に濃度を測定することで、作業環境の状態を把握することができ、作業者の健康管理と粉じん対策に役立てられます。
作業環境測定は、作業環境測定基準によって方法が定められています。また作業環境測定を行う実務者については、自社で雇用する厚生労働大臣の登録を受けた作業環境測定士がその測定を行うか、厚生労働大臣または都道府県労働局長の登録を受けた作業環境測定機関に委託するかのいずれかの方法で行う必要があります。
日常の整理整頓、清掃
屋内作業場では粉じん作業を行う作業場はもちろんのこと、休憩設備が設けられている場所の堆積粉じんによる2次的な粉じんの発散に注意が必要です。
粉じん障害防止規則第24条では粉じん作業を行う屋内の作業場所では毎日1回以上、清掃を行わなければならないとされています。また、日常の清掃で除去できないような堆積粉じんは1カ月以内ごとに1回、定期に真空掃除機や水洗いによって除去する必要があるとされています。
しかし、作業場のさまざまな場所に無造作に物が置かれ、雑然としていれば、隙間などに粉じんが堆積しやすくなり、清掃もしにくくなります。まずは、収納など作業場のレイアウトを工夫し、整理整頓しやすい環境を整えましょう。普段から整理整頓されていれば清掃も容易になり、粉じん対策が徹底しやすくなります。
また、粉じん作業場への通路や出入口は作業場から粉じんが漏れ、堆積しやすい傾向にあります。出入口に前室を設置することや、粉じん作業者以外の作業者が利用する通路も粉じん作業場を避けたレイアウトに変更するなど、通路に飛散しないようにするとともに、飛散した粉じんは常に清掃により取り除くことが必要です。
粉じん作業に労働者を従事させるときは、粉じん作業を行う作業場以外の場所に休憩設備を設ける必要があります。休憩時にできるだけ粉じんにばく露させないことが必要です。管理については、粉じん作業場と同様に定期に清掃することが必要です。また、休憩設備を利用する前に、作業衣などに付着した粉じんを除去することができるよう衣服用ブラシや靴をぬぐうマットなどを備え付けることで、休憩設備に粉じんを持ち込まないよう習慣づけることが重要です。
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