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集塵機 周辺情報 1-5.特定化学物質障害予防規則

1-5.特定化学物質障害予防規則

労働安全衛生法・特定化学物質障害予防規則

特定化学物質障害予防規則(特化則)は労働安全衛生法と労働安全衛生法施行令の規定に基づき、化学物質による労働者の職業がんやその他重度な健康障害を予防する目的で制定された特別規則です。特別規則とは有機溶剤中毒予防規則や鉛中毒予防規則、石綿障害予防規則など、特に危険・有害性の高い物質・作業を特定し、それぞれの製造・取り扱いについて遵守すべき事項を具体的に規制した規則です。
特化則もその1つで、有害性の種類や程度が異なる多種多様な化学物質についての製造や局所排気装置の設置など、製造などに係る処置、健康診断の実施義務などが規定されています。

① 特定化学物質の分類

第1類物質

がんなどの慢性障害を引き起こす物質のうち、特に有害性が高く、製造工程で特に厳重な管理(製造許可)を必要とするもの(労働安全衛生法における製造許可物質)

第2類物質

がんなどの慢性障害を引き起こす物質のうち、第1類物質に該当しないもの。第2類物質は、さらに右記のとおり分類されている。

特定第2類物質 特に漏洩に注意すべき物質
オーラミン等 尿路系器官にがんなどの腫瘍が発生するおそれのある物質
管理第2類物質 上記以外の物質
特別有機溶剤等 有機溶剤中毒予防規則(有機則)を準用する物質
第3類物質

大量漏洩により急性中毒を引き起こす物質

特別管理物質

第1類物質と第2類物質のうち、がん原性物質またはその疑いのある物質

特定化学物質例
第1類物質(7物質) ジクロルベンジジン及びその塩/アルファ-ナフチルアミン及びその塩/塩素化ビフェニル(PCB)/オルト-トリジン及びその塩/ジアニシジン及びその塩/ベリリウム及びその化合物/ベンゾトリクロリド
第2類物質(60物質) ニッケル化合物(ニッケルカルボニルを除く、粉状の物に限る)/コバルト及びその無機化合物/インジウム化合物/リフラクトリーセラミックファイバー/マンガン及びその化合物/三酸化二アンチモン/溶接ヒューム 他
第3類物質(8物質) アンモニア/一酸化炭素/塩化水素/硫酸/二酸化硫黄/フェノール/ホスゲン/硝酸

※第2類物質には特別有機溶剤等(有機則準用)が12物質含まれている。(2021年11月時点)

② 2021年4月の特化則改正について

溶接ヒュームについて、塩基性酸化マンガンによる神経機能障害の他、肺がんのリスクが上昇していることが種々の調査において報告されており、労働者に健康障害をおよぼすおそれが明らかになったことから、労働安全衛生法施行令や特定化学物質障害予防規則などを改正し、2021年4月1日から施行されています。
金属アーク溶接等作業(アークを熱源とする溶接、溶断、ガウジングの全て)を行う屋内作業場については、全体換気装置による換気の実施、またはこれと同等以上の措置を講じる必要があります。
全体換気装置とは、動力による全体換気装置をいいます。また、同等以上の措置としては、プッシュプル型換気装置および局所排気装置の設置などによる発生源対策があります。その他、溶接ヒュームおよび塩基性酸化マンガンに係る業務について、新たに特定化学物質作業主任者の選任、作業環境測定の実施および、健康診断の実施も必要となりました。
また、事業者は、金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場において、新たな金属アーク溶接等作業の方法を採用する、または作業の方法を変更するときは、あらかじめ、厚生労働大臣の定めるところにより、当該金属アーク溶接等作業に従事する労働者の身体に装着する試料採取機器などを用いて行う測定により以下の措置などを講じることが必要となります。

 

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