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オイルチラー 周辺情報 3-2.オイルの粘度について

3-2.オイルの粘度について

オイルのはたらきは、粘度が重要になってきます。
粘度は、潤滑油の機能を支配しているもっとも重要な性質で、流体の流れやすさである“ねばさ”、あるいは“さらさらさ”を数値で表したものです。目的に合わせて粘度を調整しましょう。

粘度の基準

工業用に使用されるオイルは一般的に「鉱油(石油系炭化水素=天然成分)」と、「合成油(自然には存在しない人口的に加工しつくられたもの)」があります。

ISOによる工業用潤滑油粘度分類(JIS K 2001)
=粘度グレード ISO VG2 ~ ISO VG1500 の間で18グレードを規定

粘度グレードの数値は、40℃の動粘度の中心値です。ただし、低粘度グレード(ISO VG2、3、5、7)はそれぞれ2.2、3.2、4.6、6.8という40℃の動粘度の中心値を整数にまとめたものになります。各粘度グレードに許容される動粘度範囲は、その中心値の±10%です。

 

絶対粘度
絶対粘度とは流体に対して働く抵抗力のことです。
動粘度(一般的に用いられる粘度)
絶対粘度をその流体の密度で割った値。単位は通常センチトークスctsを用いるが、SI単位ではmm2/s。

粘度の役割

図(a)に示すように、下側の面が速度Uで運動するとき流体はその粘性のために先挟りのすきまに引きずり込まれるので、流体の分子どうしが押し合って圧力を発生します。
これは「くさび膜効果」による圧力発生と呼ばれます。 また、(b)のように両面が平行なすきまでも、すきまが速度Vで減少する場合には、流体は粘性があるためにすきまから押し出されるのに抵抗し、同じく圧力が発生します。これは「しぼり膜効果」あるいは「スクイズ効果」による圧力発生と呼ばれます。
このような発生圧力で荷重を支える潤滑方式が流体潤滑です。
そして両方の効果による発生圧力はいずれの場合も、高粘度の流体ほど大きくなります。

粘度の温度変化

潤滑油(炭化水素油)の粘度は、温度が変化すると著しく変化するため、粘度を表記するときには、その粘度を示す温度を同時に表記する必要があります。潤滑油の動粘度‐温度を考えるためには下の動粘度・温度チャートが必要です。
縦軸が動粘度、横軸が温度を表しており、縦軸の目盛は動粘度の対数、横軸は温度の対数となって直線を引くと、その他の温度におけるそのオイルの動粘度を推定することができます。
粘度指数(Viscosity Index VI)は、潤滑油の温度による動粘度の変化の度合いを表す数値です。
下図における直線の傾きにあたり、値が大きいほど温度による動粘度の変化が小さくなります。
VIは経験的なものに基づいており、粘度-温度特性の優れたペンシルヴァニア原油の基油をVI=100、粘度-温度特性の劣るガルフコースト原油の基油をVI=0とし、測定された油がこれら2種類の間のどの位置にくるかを一定の数字で表すものとして指数が設けられました。

 

炭化水素油の粘度と温度の関係の算出には次のWaltherの実験式が広く用いられています。

log log(v+k)=n-mlog T
v:動粘度[cSt]
T:絶対温度[k]
k・m・n:油によって定まる定数
この計算式を用いて、任意の温度における動粘度を推定することもできます。

100℃の粘度が等しい2種の試料油VI100と200の直線を見ると、粘度の温度による変化が大きい(特にVI100の方)ことが分かります。
特に、低温度領域で動粘度が急増することが読み取れます。
ただし、実測される低温での粘度は、炭化水素油の場合この直線の上側にずれます。 つまり、炭化水素油の低温での粘度は図から推定される値よりさらに大きいということになります。

 

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